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2016 年度 実績報告書

単純実験モデルを用いた宿主と寄生体の共進化シナリオの実験的再現と包括的理解

研究課題

研究課題/領域番号 15H04407
研究機関大阪大学

研究代表者

市橋 伯一  大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (20448096)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードRNA / 進化 / 寄生体 / 宿主 / 共進化
研究実績の概要

本研究は試験管内でRNAとタンパク質から構築したRNA複製システムと、そこに自然発生する寄生体RNAを共進化させることで、宿主と寄生体の進化プロセスを理解することを目的としている。平成28年度は、平成27年度までに実施した長期進化実験中のRNAの配列や長さの解析を行った。

進化系列は独立に6系列存在するが、そのうち1系列に着目し全ラウンドでRNAを精製、ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行った。RNAをSYBR green IIで染色したところ、宿主RNA、寄生体RNAのバンドがともに現れたり消えたりの振動ダイナミクスを見せていた。この結果は昨年度定量RT-PCRで測定した結果と一致していた。宿主RNAのサイズについては継代中には大きな変化は見られなかったのに対し、寄生体RNAのサイズは大きく変化していた。当初は200塩基程度の長さであったものが、途中からは800塩基程度のものが出現した。その後は600-1500塩基の複数のバンドが検出されるようになった。この結果は、様々なサイズの寄生体RNAが出現したことを示している。

さらに本年度は、宿主、寄生体RNAの配列解析を行うための資料の準備を行った。継代途中の20か所を選び、宿主、および寄生体RNAを逆転写することによりcDNAを調製した。元々のRNAの量が少ないことと、反応液中には翻訳系に由来する様々なRNAが混在しているため、目的外のDNAが増幅してしまうという問題が生じたが、電気泳動によるサイズ選択や、PCR条件の最適化等を駆使することにより、すべての箇所で十分な量のcDNAを得ることに成功した。今後、次世代シーケンサーを用いて配列解析を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

技術補佐員の急な退職というトラブルがあったものの、予定通り配列解析のサンプルを調製することができたため、おおむね順調だと判断した。

今後の研究の推進方策

本年度で得られたcDNAサンプルをもちいて、今後は次世代シーケンスによる配列解析を行う。シーケンサーはPacbio RSを予定している。このシーケンサーを用いれば、宿主RNAの全長(約2000塩基)を一度に読むことができ、遺伝型を決定することができる。Pacbio RSの問題としてはエラーが大きいということがあるが、同じ配列を複数回読み、そのコンセンサス配列を採用することにより解決する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Host-parasite oscillation dynamics and evolution in a compartmentalized RNA replication system2016

    • 著者名/発表者名
      Bansho, Y., Furubayashi, T., Ichihashi, N.*, Yomo, T.*
    • 雑誌名

      Proc Nat Aca Sci USA

      巻: 113 ページ: 4045-4050

    • DOI

      1524404113

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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