本研究は試験管内でRNAとタンパク質から構築したRNA複製システムと、そこに自然発生する寄生体RNAを共進化させることで、宿主と寄生体の進化プロセスを理解することを目的とした。実際に進化実験を行った結果、まず宿主RNAが寄生体RNAに対して耐性を進化させ、その後、寄生体RNAがそれに対して適応する進化を起こすことを見出した。この結果は、試験管内RNA複製システムで宿主と寄生体間の進化的な軍拡競争が起きたことを示す。このシステムは単純な実験モデルとして宿主と寄生体の共進化プロセスの詳細な理解に役に立つだろう。
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