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2015 年度 実績報告書

グッピーにおける雌配偶者選好性の個体間変異と可塑性の進化機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15H04419
研究機関東北大学

研究代表者

河田 雅圭  東北大学, 生命科学研究科, 教授 (90204734)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード性選択 / 雌選好性 / グッピー
研究実績の概要

(1) 色覚が雌選好性に与える影響:LWS-1の180番目のアミノ酸変異により吸収波長が長波長にシフトしているアレルをホモ接合でもつ個体(SS)と短波長にシフトしているアレルをホモで持つ個体(AA)を、異なる光環境(緑、オレンジ、白色)で育て、オプシンの発現量と光感受性および雌の雄のオレンジスポットに対する選好性の影響を調べた。その結果、オレンジおよび白色光でそだったLWS-1の遺伝子型SS型の個体は、600nmの光感受性が高かったが、逆に緑色光で育ったs型個体の感受生は下がった。光環境によって、特にLWS-1および3の発現量が変化し、その発現量が、光感受性に影響していることがわかった。また、オレンジスポットの大きい雄と小さい雄の画像をみせ、オレンジスポットに対する雌の選好性を調べた。その結果、LWSおよびSWSの発現量と雌の選好性の関係に有意な関係が視られた。このことか、LWS-1および3の発現量およびそれによって影響される雌の選好性は、生育時の光環境とLWS-1の遺伝子型の交互作用によって影響されることがわかった。
(2)雄のオレンジ体色と雌の選好性に関わる遺伝子を検出するために、オレンジスポットの大きい雄とオレンジスポットを選好する雌を交配させる系統と、オレンジスポットの小さい雄とオレンジスポットに対する選好性の小さい雌を交配させた系統を5世代まで作成してきた。その系統間で交配を行いF1世代の個体を作成した。さらに、F1世代をランダムに交配させ、オレンジスポットの大きい個体20-30匹と小さい個体20-30匹、また、同様に、オレンジスポットに対する選好性の強い雌20-30匹と弱い雌20-30匹を選抜するためのF2個体を作成した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

色覚が雌選好性に与える影響については順調に進み、重要な結果が得られた。選好性に関するゲノム領域特定のためのQTL-seqを行うための個体サンプル数が足らなかったため、追加の交配を行なったために、予定より遅れた。しかし、その後は順調に経過している。

今後の研究の推進方策

予定より遅れたが、雄のゲノムDNAが採取でき、次世代シークエンサーで解読し、雄のオレンジスポットと雌の選好に関わる遺伝子を特定する。さらに、カロテノイド欠乏食と高カロテノイド食がオプシン遺伝子の発現量と雌の選好性に与える影響についての実験を行う

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Effects of light environment during growth on the expression of cone opsin genes and behavioral spectral sensitivities in guppies (Poecilia reticulata).2016

    • 著者名/発表者名
      Sakai, Y., H. Ohtuki, S. Kasagi, S. Kawamura and M. Kawata
    • 雑誌名

      BMC Evolutionary Biology

      巻: 2016 ページ: 106

    • DOI

      10.1186/s12862-016-0679-z

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Variation of absorption spectrum and gene expression pattern of red opsins under different light environments and its effect on behavioral spectral sensitivity in guppies, Poecilia reticulata.2015

    • 著者名/発表者名
      Sakai, Y., H. Ohtsuki, S. Kasagi, S. Kawamura, M. Kawata
    • 学会等名
      XVth Congress of the European Society for Evolutionary Biology
    • 発表場所
      Lausanne, Switzerland
    • 年月日
      2015-08-15 – 2015-08-15
    • 国際学会

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公開日: 2018-01-16  

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