伊豆諸島において、捕食者と被食者の個体群動態と迅速な共進化の相互作用を解明する研究を行った。シマヘビの色彩が多型的な島では、色彩が単型的な島よりも個体数振動の周期が約10年と長かった。この色彩多型が、被食者の捕食回避による負の頻度依存性選択によって約5年の周期で振動していることを明らかにした。さらに、シマヘビの採餌成功に関与する口器の形状に対する自然選択の方向性と強度が、捕食者と被食者の個体数振動の増加期と減少期に対応して振動しているのかどうかを調べ、ヘビ1個体あたりのトカゲ密度が低いと幅広の個体の適応度が高く、逆にトカゲ密度が高いと頭部幅の狭い個体の適応度が高くなっていた。
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