研究課題
本研究の目的は、タンパク摂取量が不足していると判断されるにもかかわらず、タンパク欠乏にともなう臨床症状をしめさず、むじろ巨大な筋肉を発達させているパプアニューギニア高地の人々を対象に、その低タンパク適応のメカニズムを解明することにある。研究の全体は、パプアニューギニア高地で収集された糞便をはじめとする生体試料を対象にした実験・分析と、パプアニューギニアで収集した糞便に含まれる腸内細菌叢を無菌動物に移植する実験のおおきくふたつに分けて実施した。平成29年度は、前年度までに確立した「低タンパク適応のモデル動物」を用いて、その動物に特有のタンパク代謝メカニズムの解明にむけて研究を実施した。具体的には、パプアニューギニアの腸内細菌叢を有するマウスと、日本人の腸内細菌叢を有するマウス、コンベンショナルな細菌叢を有するマウス、そして無菌マウスを、それぞれ低タンパクの餌で飼育し、その体重の変動をモニタリングするとともに、血清を対象にしたメタボローム解析、肝臓サンプルを対象にした窒素の安定同位体比解析を実施し、さらには血清および尿中のタンパク代謝にかかわるバイオマーカーを測定した。膨大なアウトプットの分析により、低タンパク適応のメカニズムについての仮説をたてた。一方で、プロジェクトの最終年度であることから、これまでの成果を統一データベースとして整備した。さらには、成果出版にむけての打ち合わせを実施した。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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American Journal of Tropical Medicine and Hygiene.
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Metabolomics.
巻: 13 ページ: 105
10.1007/s11306-017-1243-6