研究課題/領域番号 |
15H04437
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
辻本 壽 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (50183075)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 合成コムギ / 高温ストレス / GWAS / スーダン |
研究実績の概要 |
1.GBS法による高温耐性コムギの分子解析基盤の構築 43系統の一次合成コムギ、400の任意選抜合成コムギ派生系統、9の高温耐性選抜系統からDNAを抽出し、これをDArT社に送り、大量ジェノタイピングを行った。これらの情報から、任意選抜合成系統においては、その由来親およびゲノム構成を明らかにすることができた。さらに、これらの系統を、スーダンの3カ所の4条件下で栽培し、農業形質および生理形質を調査した。それらのデータを元にゲノムワイドアソシエーション解析を行い、既知の質的形質については、精度高くQTLの得られることを明らかにした。高温耐性についての解析は、現在、スーダンからのデータを待っているところである。 2.選抜系統の生理的解析 高温耐性選抜系統をデザートシミュレータで栽培し、高温処理区においてその形態および生理的形質を調査した。その結果、選抜系統はこの人工環境下においても高い高温耐性を示し、育種素材として使えることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
別プロジェクトで、バイオインフォマティクスのスキルをもつ博士研究員を雇用することができ、本プロジェクトで購入したサーバーをフル活用して、大量データを用いた解析ができるようになった。また、スーダンでの協力が期待以上に得られ、3カ所、4条件下で研究を進めることができた。これにより、実際の高温条件下でのデータが得られた。これらゲノムおよび形質情報を用いて、ゲノムワイドアソシエーション解析が、期待以上に進み、論文を執筆できる段階にまで至った。
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今後の研究の推進方策 |
申請書の研究計画に従い、選抜系統の形態および生理形質の調査を行う。一方で、これら系統のグラフィカルジェノタイピングを合わせて行う。任意選抜系統については、スーダンから形質データが得られ次第、解析を行い、高温耐性QTLの検出に向けた研究を行う。
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