研究課題
ソルガムRbcS高発現・イネRbcSノックアウトイネ(CSS系統)について生理解析を行った.実験に用いた2種類のCSS系統(CSS10,CSS16)のRubisco含量は,CSS10で非形質転換イネの50%,CSS16で35%であり,Rubisco含量を適度に減少させることに成功した.低CO2から大気条件での光合成速度は,非形質転換イネに比べてCSS系統で低い傾向にあったが,高CO2条件ではRubisco含量が低いにもかかわらず非形質転換イネと同等の光合成速度を示した.生育についても同様であり,大気条件ではCSS系統は乾物重が低くなったが,高CO2条件では非形質転換イネと同等の乾物重を示した.ソルガムRbcS高発現・イネRbcS RNAiノックダウン二重形質転換イネのRubiscoの結晶構造解析からイネRbcSに存在するIle101が,ソルガムRbcSにおいてLeu101となることで,Rubiscoの触媒サイトの構造変化が生じて触媒速度が増加することが示唆された.本年度はイネRbcSが完全にソルガムRbcSに置き換わったCSS系統のRubiscoの結晶構造解析を行い,ソルガムRbcS高発現・イネRbcS RNAiノックダウン二重形質転換イネのRubiscoと同様の構造であることを確認した.予定ではソルガムRubiscoの結晶構造解析も行う予定であったが,結晶化させることが出来ず,構造を明らかにすることが出来なかった.多収性日印交雑品種タカナリを背景とするソルガムRbcS高発現イネの光合成特性の解析を行ったが,光合成速度はタカナリと同程度であった.ネピアグラスRbcSは他のC4 RbcSと異なるメカニズムによりRubisco触媒速度を増加させていることが予想される.結晶構造解析のためのネピアグラスRbcS高発現・イネRbcSノックアウト形質転換イネを作出中である.
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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