研究課題
STOP1システムはジンクフィンガータイプの転写制御因子であるSTOP1タンパク質により転写制御される一連の機構である。シロイヌナズナでは、アルミニウム誘導型の耐性遺伝子であるALMT1やALSに加えて、病害抵抗性に関わるPGIP1などの転写も制御している。その分子機構として、各システムをつなぐ分子(クロストークの原因となる分子)や、シグナルを生成する分子(センサー分子)を特定することは、分子機構をもとに品種改良を行うための基礎情報を与えるだけでなく、生物の進化とストレス耐性の樹立の関係を明らかにするためにも重要である。本年の研究では、最終年度に当たることから、昨年までに実施した遺伝子組換え体作成実験の検証に加えて、主に生物情報学的な解析と、比較ゲノム科学的な解析を実施して、実用作物でのSTOPシステムの意義や、複数のストレスがクロストークする現象に関する理解を深め、その一部については国際誌に公表した。出版した内容は、キマメSTOP1の同定、植物のアルミニウムシグナルにおけるSTOP1の機能、アルミニウム応答遺伝子の転写制御の頑健性におけるSTOP1システムの関与である。また、STOP1が乾燥耐性やハイポキシア耐性を制御することも見出し、植物の進化上重要なストレス耐性分子であることも見出した。この一連の研究の過程では、毛状根システムを用いた根で発現する機能性分子のストレス耐性研究モデルの構築なども実施して、今後の他の研究に波及することができる成果も獲得した。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件)
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