研究課題
qTnSeq法に用いるトランスポゾンカセットをデザインし作製した。カセットとしてはカセット外側に向かうプロモーターを配置したものと、外側に向かう転写が起きないように転写ターミネーターを配置したもの、の2種類を作製した。次いで、カセット上の薬剤耐性遺伝子について各種耐性遺伝子に置換した複数種類のカセットを作製した。このうち1つをPCB分解菌Acidovorax sp. KKS102株由来のICE接合伝達頻度が向上したSA17株に適用しておよそ60,000クローンよりなるライブラリーを作製した。ライブラリーの解析方法については、当初断片化したゲノムDNA断片を平滑化処理後、Taqポリメラーゼを利用して3'端にAを1つ突出させ、3'をT突出させたアダプターDNAを連結させることを考えていたが、十分な効率が得られずにいたところ、汎用の逆転写酵素が強い3'突出末端形成能力を有していることを示唆する結果を得た。qTSS法については、RNAの5'端にアダプターDNAをライゲースによって連結することを考えていたが、これについても反応効率が十分でなくqTSS法を構築するには何らかの別の方法を採用する必要があることが示唆された。これについてある酵素がRNAの5'端に高い効率でアダプターDNAを連結可能であることが示唆され、さらなる条件検討により新しい実験系として確立できることが期待される。精製したBphPのC末端ドメインがATPとインキュベートすることでリン酸化されること、またこのリン酸基が精製したBphQに受け渡されることが確認された。またアセチルリン酸とBphQをインキュベートするとBphQがアセチル化されることを示唆するデータを得た。
2: おおむね順調に進展している
qTnSeqについては当初考えていた方法では十分な効率で断片化したDNAとアダプターDNAを連結することはできなかった。効率良く連結可能な方法としてある別の酵素が有する活性を利用することが有用であることを見いだしており、これを利用することで今後研究が加速すると期待される。BphPの自己リン酸化とBphQへのリン酸基受け渡しを検出するのに成功したこと、BphQがアセチルリン酸によってアセチル化することを見いだしたことと合わせて、計画は概ね順調に進行していると考えている。
qTnSeq法についてこれまでに見いだした新規活性についてさらなる検討を行うことで、高効率アダプター連結手法を構築する。またqTSS法についても、目的に適していると考えられる酵素活性について詳細に検討することで、RNA 5'端の定量的検出方法として確立する。
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