研究課題
定量的にTn変異株ライブラリーを解析可能なqTnSeq法の確立を行った。qTnSeq法では、Tn変異株ライブラリーDNAを断片化後、ランダムな配列よりなる識別タグ配列を連結した後にPCR増幅してからNGSで解析し、Tnカセット挿入部位を定量的に明らかにする。平滑DNA末端の3'端に対してマロニーマウス白血病ウィルス由来の逆転写酵素により形成させた突出末端に、突出塩基と相補的な塩基を3'端部分に有する一本鎖DNA(GAO; guide adaptor oligonucleotide)を作用させると、当該逆転写酵素の活性により、GAOの相補鎖が合成され、伴ってGAOが3'端へと連結される。この反応(CIS反応と命名)は非常に効率良く進行し、識別タグを含むアダプターを連結する上で理想的な方法である。実際にqTnSeq法を行うにあたり、超音波で剪断処理して得られたDNAの末端は、各社が販売している末端修復キットではほとんど修復されていないことを示す結果を得た。これについて修復方法を検討したところ、およそ70%程度の効率でCIS反応が起こる修復条件を見いだした。実際にKKS102株由来のTn変異株ライブラリーの解析を行ったところ、96万Tnカセット含有DNA分子を検出することができた。これは用いたDNAの量から計算して35%の検出効率と計算され、従来に無い高い効率で定量的にTnカセットを同定することができた。他方、カタボライト調節機構についてBphQのK108がアセチル化されることを示すデータをMALDI-TOFMSによる解析により得た。また、アセチルCoAがアセチル基供与体となることを示唆するデータを得た。またICEについて、そのoriT部位に関する知見を得た。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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