糖質は,構成単糖と結合様式と重合度によって顕著な多様性を持つ分子群である.有用化合物が多数存在すると予想されるが,機能性の解析には潤沢な化合物が必要であり,効率的な大量合成系確立が必須である.本研究では,天然に豊富に存在する糖質からの転換として,合成酵素と転移酵素を利用した高度な糖質合成系確立を実施した.合成酵素利用では,ショ糖を出発物質として合成酵素の基質(UDP-Glcなどの糖ヌクレオチド)を供給するワンポット反応により二糖の合成系を確立した.新規転移酵素はマルトオリゴ糖に作用し,グルコース単位での転移反応を触媒する酵素群を見いだした.
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