研究実績の概要 |
超好熱性アーキアの前駆体tRNAプロセシング酵素・リボヌクレアーゼP (RNase P)は、RNA (pRNA)と5種のタンパク質(Pop5, Rpp21, Rpp29, Rpp30、Rpp38)から構成されている。本研究では、Pop5の構造機能相関の解明を目指すとともに、Pop5とRpp30のヘテロ四量体における機能について検討した。まず、Pop5のC末端領域の6残基を欠損させた6Cと、14残基を欠損させた14C、そして二量体形成部位の6残基を欠損させたLを作製し、それらを含む再構成RNase Pにより、前駆体tRNA切断活性を測定するとともに、P3ステムループに対する結合親和性を検討した。その結果より、Pop5がP3ステムループとの結合に関与し、Rpp30はPop5の構造形成に関与していることが示唆された。また、14C-Rpp30の親和性は著しく低下していたが、L-Rpp30はPop5-Rpp30と同程度の親和性を維持していた。以上の結果と、Pop5とRpp30のヘテロ四量体の結晶構造およびpRNAのモデル構造に基づき、Pop5-Rpp30-pRNA複合体モデルを構築した。
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