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2015 年度 実績報告書

マウスを用いた1型と2型糖尿病の双方の発症に関わる原因遺伝子の同定とその機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 15H04499
研究機関名古屋大学

研究代表者

堀尾 文彦  名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (20165591)

研究分担者 大野 民生  名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (90293620)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード1型糖尿病 / 2型糖尿病 / 疾患感受性遺伝子 / 膵臓ランゲルハンス氏島 / インスリン分泌
研究実績の概要

(1)コンジェニック系統群を用いた原因遺伝子の染色体上の存在領域の絞込み→ 対照系統であるC3Hマウスに2型糖尿病系統のNSYマウスの第11番染色体の71 Mb断片(0-71.7Mb)を導入したコンジェニック系統(R2と命名)を親系統として、C3Hマウスとの交配により、ここの71Mbをさらに断片化したものを保有するコンジェニック系統の7種類の作出を進めた。その結果、5種類のコンジェニック系統(R2C, R2E, R2F, R2H, R2Jと命名)を確立あるいは確立できる見通しが立った。これらのうち、最初に確立できたR2Fコンジェニック系統に高脂肪食を10週間摂取させて、糖尿病形質の解析(耐糖能試験、インスリン分泌能試験、インスリン抵抗性試験)を開始した。今後、5種類全てのコンジェニック系統の糖尿病形質判定を最短期間で完了し、その結果から、インスリン分泌不全あるいはインスリン抵抗性を引き起こす糖尿病遺伝子の存在領域を限局する。
(2)網羅的遺伝子発現量比較解析による候補遺伝子の選抜→ マウス個体で膵臓にコラーゲナーゼを還流して消化した後、ランゲルハンス氏島をフィコールを用いた密度法により単離し、そこからRNAを抽出する方法を確立した。この方法を用いて、糖尿病コンジェニック系統とC3H系統(対照系統)のランゲルハンス氏島からRNAを抽出し、DNAマイクロアレイ解析を行う。
(3)ゲノム変異情報に基づいたエキソンに変異を有する候補遺伝子の選抜→ 次世代シークエンサー解析により得られたNSYとC3H 系統間のゲノム変異情報を用いて、第11番染色体のR2領域(0-71.7 Mb)内でエキソンにアミノ酸置換をもたらす変異を有する遺伝子の内、ランゲルハンス氏島機能や糖代謝への機能への関与が示されている遺伝子であるSmek2, Shpxd2b, Slit3, Pttg1, Il12b, Il9rを候補遺伝子として注目した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

親系統となるR2Bコンジェニック系統とC3H系統とを交配して得た子孫から、好適な染色体断片を保有する新たなコンジェニック系統の作出を最大限に進めてきたが、予測していたよりも交配における妊娠率が低く、コンジェニック系統の作出完了の時期が予測していた時期よりも4ヶ月から5ヶ月遅延した。幸い、5種類のコンジェニック系統の作出の目処が立ち、作出完了した系統から順に高脂肪食摂取条件下での糖尿病発症の有無の解析を開始した。

今後の研究の推進方策

作出した5種類のコンジェニック系統の飼育スペースと交配数を最大限に拡大して、得られた仔マウスの糖尿病形質の解析(6週齢から10週間の飼育)を最短期間で進めていく。このことにより、やや遅れている研究の進捗状況を次年度で少しでも取り戻すよう取り組む。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Detection of differentially expressed candidate genes for a fatty liver QTL on mouse chromosome 12.2016

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi, M., Suzuki, M., Ohno, T., Tsuzuki, K., Taguchi, C., Tateishi, S., Kawada, T., Kim, Y., Murai, A. and Horio, F.
    • 雑誌名

      BMC Genet.

      巻: 17 ページ: 73

    • DOI

      10.1186/s12863-016-0385-2

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2018-01-16  

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