研究課題
本研究は、申請者が独自に開発したビタミンC(VC)を体内で合成できないSMP30ノックアウト(KO)マウスとビタミンE(VE)の細胞内輸送能が欠損したα-TTP-KOマウスとを掛け合わせたSMP30/α-TTPダブルノックアウトマウスを用いて、VC, VEの2重(同時)不足が(1)記憶、学習行動に及ぼす影響、(2)脂質代謝に及ぼす影響、並びに(3)慢性的なVC, VE不足が老化そのもに及ぼす影響や慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アルツハイマー病など加齢疾患の発症に及ぼす影響を明らかにする。平成27年度、VC, VEを合成、輸送できないSMP30/α-TTP-DKOマウスを体外受精・胚移植の技術を用いて、十分な個体数を作出することができた。そして、SMP30/α-TTP-DKOマウスをVC, VE欠乏状態にして①オープンフィールド(不安行動、活動性)、②明暗選択課題(不安行動)、③モリス水迷路課題(空間記憶(海馬)、長期記憶(海馬)、遊泳能力)、④恐怖条件づけ(短期記憶(扁桃体)、長期記憶(扁桃体および海馬)、刺激応答)などの記憶、学習行動解析を行った。その結果、VC, VE両方の欠乏は、不安様行動を増加し、運動能力および記憶学習を低下させる可能性を示唆するデータを得ることができた。
2: おおむね順調に進展している
研究計画に記載した内容を順調に行うことができた。また、非常に興味深い結果も得られた。
研究は概ね順調に進展している。現在、研究計画に変更や解決すべき課題等は特にない。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件)
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