セルロースナノファイバー(CNF)を骨格とする新規多孔質の構造と伝熱特性の関係を調査した。その結果、CNFが網目状に骨格を形成したナノポーラスな多孔体よりも、CNFが薄膜状に凝集した骨格を有するマクロポーラスな多孔体のほうが、著しく熱拡散率を低下させることが明らかとなった。すなわち、多孔体中の空気の熱拡散を抑制するためには、ナノスケールの網目状骨格により空気分子の自由行程を直接阻害することよりも、薄膜状骨格によりマイクロスケールの閉塞的な空間をつくるほうが効率的であった。その他、常圧乾燥によるCNF多孔体の調製や、CNF多孔体を由来とする新規ナノカーボンの形成についても検討した。
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