研究課題/領域番号 |
15H04530
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
木質科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
今井 友也 京都大学, 生存圏研究所, 准教授 (90509142)
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研究分担者 |
岩崎 憲治 大阪大学, 蛋白質研究所, 准教授 (20342751)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | セルロース合成酵素 / セルロース / セルロースミクロフィブリル / 固体構造 / 膜タンパク質 / 高分子集合 / 生合成 |
研究成果の概要 |
セルロースは木材等植物細胞壁の半分を占める成分であり、複数本の高分子鎖が伸びきり鎖状態で充填された結晶性繊維「ミクロフィブリル」として存在する。本研究は細菌モデルを使い、セルロース合成酵素タンパク質がミクロフィブリル構造を作るメカニズムの構造的解明を目指した。 その結果、セルロース合成酵素触媒サブユニットが規則正しく細胞内で並んでいることを示した。さらに高分解能の構造解析を目指して、セルロース合成酵素タンパク質の精製方法の最適化を進め方法確立に目途をつけた。また凝集が作られる試験管内セルロース合成反応において酵素により合成されるセルロース分子を観察し、その凝集過程が二段階であることを示した。
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自由記述の分野 |
木質科学、タンパク質科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
セルロース合成酵素がミクロフィブリル構造を作る機能は、高分子を常温常圧水系溶媒下で制御して、特定の構造を合成する機能である。これは高分子科学的に大変高度な機構であり、本研究はその解明を進めた。得られた成果はまだ解明の糸口を見つけ出したに過ぎないが、セルロース生合成の本質が常温常圧水系溶媒下で高分子を自在に制御するタンパク質機能であることを示したことが本研究の学術的意義である。また再生可能資源としてますます注目を浴びるセルロースへの感心は今後ますます高くなると思われるが、その生合成が非常に高度な生物機構であることを広く国民に説明する知見を与えることが本課題の一番の社会的意義である。
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