研究課題/領域番号 |
15H04531
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
上高原 浩 京都大学, 農学研究科, 准教授 (10293911)
|
研究分担者 |
増田 誠司 京都大学, 生命科学研究科, 准教授 (20260614)
飛松 裕基 京都大学, 生存圏研究所, 准教授 (20734221)
高野 俊幸 京都大学, 農学研究科, 教授 (50335303)
吉永 新 京都大学, 農学研究科, 准教授 (60273489)
田中 義正 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (90280700)
蟹江 治 東海大学, 工学部, 教授 (90291062)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | メチルセルロース / ヒドロゲル / バイオマス |
研究実績の概要 |
バイオマスの限定的分解-分離-再結合反応を基盤とした高付加価値医療材料の開発に関する研究を行っているが、昨年度までにほぼ確立した本研究の基盤技術である「バイオマスの限定的分解-分離-再結合反応」を元に、4年計画の第3年次である本年度は、高付加価値医療材料の開発に研究を集中させた。具体的には当初の計画に従い下記結果を得た。 (1) 熱応答性超分子ヒドロゲルの分子構造を細胞培養基材向けに最適化し、平成28年度に得た結果よりも良好な結果を得た。 (2) 高付加価値医療材料として抗体医療用分子の合成した。昨年度開発した合成ルートに従い、化合物データを蓄積し、学会発表を行った。 (3) バイオマスプラスティック(フィルム)として、天然ゴム(トランス型)とセルロースアセテートとの複合材料の合成を調製した。その際、最適なブレンド比が存在することを見出した。得られた結果をまとめ学会発表を行った。 以上、メチルセルロース系分子は生体適合性が高く、バイオマスを原材料とした高付加価値医療材料として十分機能することが見いだされつつある。天然系材料であるセルロースは高い安全性を鑑みれば、石油系材料と十分に競争できるポテンシャルを有することが示唆された。 本年度はこれまでの研究成果の一部を論文1報、書籍チャプター1章分として発表した。また、国際学会における招待講演を行い、アメリカ化学会のCellulose and Renewable Materials Divisionにて"Frontiers in Glycoscience, Bridging the Gap Between Carbohydrate & Polysaccharide Chemistries"というシンポジウムのオーガナイザーとして役割を果たした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画していた通り、様々な化合物の合成を達成し、化合物の構造-物性-機能相関に関する情報が得られた。以上のように、おおむね計画通りに研究成果が得られているため、(2) と判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
平成29年度までに得られた成果を元に、引き続き下記研究を推進する。 (1) メチル化セルロース誘導体の熱応答性ヒドロゲルとしての利用、メチル化ヘミセルロースは界面活性剤としての利用、メチル化リグニン誘導体はナノ粒子として利用を詳細に検討する。 (2) 既に確立した基本合成法に基づき、更に数種の抗体医療用高感度ガン診断分子を合成すると共に、その性能を評価する。 (3) セルロース/トランスポリイソプレン複合材料の調製と物性評価を行う。
|