研究課題
系統的位置と微細構造に基づいて未記載種であることを確認したベトナム産小型渦鞭毛藻を,ボルギエラ科の新属新種Dactylodinium pterobelotumとして記載した。ボルギエラ科としては初めての海産種の報告となる。本種はボルギエラ科に共有の上錐溝と眼点構造をもつが,系統的にはスエシア科に近縁であることから,スエシア科はボルギエラ科の一部から派生したことが明らかとなり,眼点等の進化的変化を示した。また,日本沿岸より分離したD. pterobelotumに近縁な1未記載種の走査電顕観察を行ったところ,上錐中に位置する大きなペダンクルの他,直線型ではない上錐溝を確認している。カレニア科ではTakayama acrotrochaとT. xiamenensisを含む系統群の構成種が東アジアに広く分布すること,そして大きな複合型ピレノイドをもつことを確認した。Asterodiniumの1種の培養株を確立し,カレニア科系統群に含まれること,明瞭なピレノイドをもたないことを確認した。また,眼点をもつカレニア科の未記載種の培養株を新たに確立し,系統解析や微細構造観察を含む記載報告の準備を進めた。前年度にAzadiniumの1種A. poporumを日本沿岸より初めて見いだしているが,今年度は日本沿岸よりA. zhuanum類似種,マレーシアよりAmphidoma sp.の出現を確認し,培養株を確立した。これらの成果は,WESTPAC Scientific Symposium(青島),PICES-2017 Annual Meeting(ウラジオストク),8th Asian Pacific Phycological Forum(クアラルンプール),EASTHAB10(函館)等で発表するとともに,パリで開催されたIPHABに参加してカレニア科の分類について情報交換を行った。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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巻: 印刷中 ページ: 1-7
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