研究課題
定量PCRによる本属の有毒各種を特異的に定量可能な手法の開発前年度開発したGambierdiscus silvaeに特異的なプローブ・プライマーセットを用いて、定量PCRを行うことにより、本種の培養細胞ならびに現場海域由来の細胞内に含まれるrDNAのコピー数を求めた。その結果、その1細胞当たりの平均コピー数は、904,690±364,362 copies/cellであることが明らかになった。よって、現場試料に含まれるG. silvaeのrDNAコピー数を定量PCRにより定量し、これにより得られたrDNAコピー数を、上記した本藻の1細胞当たりの平均コピー数により除することにより、当該試料に含まれる本藻の細胞定量が可能となった。Gambierdiscus silvaeの現場動態と発生時の現場環境条件の解明上記にて確立した定量PCR法を用いて、高知県幡多郡大月町ならびに沖縄県うるま市中城湾における水深3 m、水深15 mならびに30 mの各地点により3ヶ月に1回程度採取した現場試料に含まれるG. silvaeの発生量を求めることにより、その動態を解明した。その結果、本種はいずれの地点においても浅い水深のみならず深い水深においても発生すること、どちらかというと冬季に高頻度に発生すること、さらに大月町では水深3 m地点より水深15 m地点においてより高密度にて発生することが明らかになった。同時に、それぞれの試料が採取された現場環境条件(水温、塩分、光強度)について検討することにより、G. silvaeがどの様な環境条件の下で発生するのか解析した。その結果、本種は20~25℃のやや水温が低い条件でかつ光強度が300μmol photons/m2/sの低光強度条件の下で、比較的高密度にて発生することが明らかとなった。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Plankton and Benthos Research
巻: 13 ページ: 46-58
https://doi.org/10.3800/pbr.13.46