近年、ヒラメに寄生する粘液胞子虫ナナホシクドアと同様、不顕性感染型クドアと人間の食中毒との関連が疑われている。本研究では、メジマグロのムツボシクドアの寄生実態を調査し、マグロ満1歳未満の幼魚に多いものの、それは育成場所に影響することが示された。毒性をヒト腸管上皮細胞(Caco-2細胞)と下痢症モデル動物(乳のみマウス)を用いて調べた結果、ナナホシクドアに比べて1/50程度であった。またCaco-2細胞のDNAマイクロアレイ解析により、IL8などの炎症性サイトカインや嘔吐に関連する遺伝子発現が上昇した。最終的に、マグロ筋肉中の感染許容量は10の7乗胞子/g以下と推定された。
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