1980年代と2010年代に岩手県津軽石川に遡上したサケ鱗の安定同位体比(δ15N、δ13C)から両年代のサケの餌生物に変化がないことを明らかにした。また、2011年に北海道の河川に遡上したサケ鱗の安定同位体比から若齢(2歳)・小型で遡上した個体の栄養段階が他の年齢群に比べて高く、その回遊経路や摂餌環境が異なる可能性を示した。また、2011、2012年に本州、北海道の各河川に遡上したサケの耳石微量元素の成長に伴う変化を調べ、Ba/Ca、 Li/Ca、Sr/Caに周期的変化がみられること、またBa/Ca、Li/Caのピークの位置と高さが由来河川で異なり、サケの回遊経路が多様であることを示した。
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