研究課題
2-3)耐病系魚と感受性魚における発現遺伝子の解明耐病性アズマニシキ系統と感受性ワキンの感染後の免疫関連遺伝子の発現を調べたところ、耐病性魚では、臓器内ウイルスDNAコピー数が感染5日後に減少に転じ、このときにMHCクラスI遺伝子の発現が有意に高いことが判明した。さらに、感染前の状態でのこの遺伝子発現量は、耐病性アズマニシキ系統魚で感受性ワキンよりも数倍高いことも判明した。3-3)単離される耐病性候補遺伝子の交配家系での耐病形質との相関性の解明昨年度、GBSによる(耐病性アズマニシキ×感受性クロデメキン)F1×感受性クロデメキンの戻し交配群における連鎖解析で得られたSNPは、ある遺伝子上にあることが判明した。このSNPのPCRプライマーの設計とHRM法での分析法を構築し、分析個体数を増やして検討を行った。その結果、F1を雄親とした交配群では平均して生残魚の95.4%が該当のSNPをヘテロ接合で持ち、死亡魚のうち平均97.9%は持たなかった。一方、F1を雌親とした交配群では平均して生残魚の67.5%が該当のSNPをヘテロ接合で持ち、死亡魚の平均72.9%は持たなかった。雄親の選抜の際にはこのSNPが耐病性の遺伝マーカー候補になりうると考えられた。4)耐病性選抜育種に利用可能なバイオマーカー開発耐病性アズマニシキを判別するSNPマーカーを分析するHRM法等が開発できた。他のキンギョ家系・品種に応用する場合には、この遺伝子上のSNPを見つければ、マーカーとすることが可能と考えられ、今後、より組換えの少ないSNPマーカーの開発、さらには耐病性遺伝子の同定が必要である。また、耐病性アズマニシキでの結果からMHCクラスI遺伝子の発現量もマーカーとなりうることが示唆された。さらに耐病性魚と感受性魚が混在する1対1交配群に加え、他の耐病系・感受性系などで検証する必要がある。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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