研究課題
(1)昨年度までに、フコキサンチンが食事性肥満誘導C57BL/6Jマウスに対しUCP1を含むミトコンドリア因子の発現誘導とともに、白色脂肪組織の増大を抑制することを見出した。本年度は、フコキサンチンの作用機序におけるUCP1の役割を明らかにするため、UCP1欠損マウスを用いて検討した。その結果、フコキサンチンの摂取は野生型マウスに加え、UCP1欠損マウスにおいても食餌性肥満を抑制した。また、フコキサンチンを投与したUCP1欠損マウスにおいて、UCP1を除くミトコンドリア因子およびその発現制御因子のmRNA発現に増加および増加傾向が認められたことから、抗肥満効果の作用機構としてUCP1に依存しないメカニズムも関与することが予想された。(2)脂肪細胞株C3H10T1/2に対し、フコキサンチノールに加え、アマロウシアキサンチンAやシフォナキサンチンとisoproterenolを併用することによって、UCP1 mRNAの発現が上昇することを認めた。さらに、フコキサンチノールと アマロウシアキサンチンAではUCP1の発現誘導において脂肪細胞分化の異なるステージに作用することが示唆された。(3)マウスやハムスターを用いた脂肪組織の褐色化機構に関わる検討において、 (i) 褐色脂肪細胞の増殖を停止させたモデルマウスでは、褐色脂肪組織量および基礎エネルギー消費量が減少すること、(ii) 白色脂肪組織の存在部位によるベージュ脂肪細胞誘導能の違いにはマクロファージ活性化の部位差が関わること、(iii)褐色脂肪組織が出生後に形成されるハムスターを用い、環境温度が前駆脂肪細胞や血管内皮細胞の増殖に影響して褐色脂肪組織形成の調節を制御することを明らかにした。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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