緑藻や珪藻等の微細藻類は、脂肪酸を前駆体とする直鎖状炭化水素を、少量ではあるが生産する。また、緑藻Botryococcus brauniiは、分子の末端に二重結合を有する特異な直鎖アルケンを大量に蓄積する。本研究では、これらの直鎖状炭化水素の生合成に関与する酵素遺伝子の特定を試みた。その中で、ある種の微細緑藻から最近発見されたfatty acid photodecarboxylase(FAP)遺伝子が、B.brauniiにおいても発現している事、また、当該FAPは他藻種由来のFAP同様に、パルミチン酸およびオレイン酸から脱炭酸反応により、直鎖状炭化水素を生産できる事を明らかにした。
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