研究課題
この研究は、下記の3つの観点から、日本、朝鮮およびインドの農村社会の比較検討を行うことを目的とした。すなわち、①村落における「百姓株式」の有無、②非農民身分者の村落居住の有無、および③村落を超えた地域単位(郷)における住民結合の有無。その際、中世~現代という長期の対象地域を設定した。この研究を通じて、①の「百姓株式」に関しては、日本とインドの中世~近世において類似の制度が存在したこと、それが村落における人口維持異能を果たしていたことが確認できた。朝鮮の農村では類似制度の存在は確認できなかった。②についても、日本とインドでは中世~近世に類似の現象がみられること、非農民身分者の再生産の領域が村落を超えている点でも共通することが確認できた。③については、②の後半の論点ともかかわって、日本とインドで郷レベルの社会的結合が観察された。そのうえで熊本藩を対象として「手永」と呼ばれる郷単位の地方行政機構についての分析を深めた。朝鮮では村落を超えた郡を領域とする社会的結合(とくに士族(両班)身分の社会的再生産のためのネットワーク)の重要性を分析した。さらに、郷を単位とする社会的結合が、それぞれの地域において現代においても機能し続けていることが分かった。とくに、歴史的な相互参照性の弱い日本とインドにおいて農村社会の類似性が発見されたことは、アジアの農村史研究という文脈において重要なファクトファインディングスであると考える。
平成29年度が最終年度であるため、記入しない。
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