農業用パイプランの効果的な維持管理には管材損傷に加えて,リスク同定が不可欠である.本研究では,非破壊検査による農業用パイプラインの損傷度評価法を開発することを目的としている.研究開発の結果,既存施設において提案手法により構造損傷を同定できることが確認された.リスク評価指標は構造損傷の影響を受け,それらの推定には非破壊評価パラメータが有効であることが明らかになった.実証的検討成果を踏まえたリスク評価の結果,既存の農業用パイプラインの安全度を提案手法により非破壊的に評価できることが確認された. 主な研究業績は,極度に損傷が進行した構造材料の物性値をAE(Acoustic Emission)とX線CTにより可視化・定量化するための方法論を開発し,蓄積された損傷と物性との関係からリスク評価パラメータを提案した.そのことを前提に災害発生時および発生後の損傷度の定量評価方法を提案し,リスク評価における指標値とした.2017年の研究実績は,閲読付論文3報,口頭発表8報であり,国内外への研究成果の発信を実施した.
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