研究課題
ヌマエラビルが個体として極端な耐凍結復元性を示すメカニズムに関して、氷結晶の生成以外に与える影響を調べ凍結体制に対する新たな視点の創生を目指した。1. 飼育技術確立 (鈴木大、鈴木徹):ヌマエラビルの育種に関して種々の条件設定を行いカメを使った継続寄生手法が完全に確立された。ヒルは3~4ヶ月周期で卵から成体への循環を繰り返し現在4世代まで育成確認した。しかし、ヒル単独繁殖には成功しなかった。2. ヌマエラビルの遺伝子発現機構 (黄川田):ゲノム配列のアッセンブリスからトレス前後での遺伝子発現変動の解析を試みるも、個体数の不足から十分な結果が得られなかった。3. ヌマエラビル成分と耐凍結保護機能物質の機能評価3. 1 組織切片を用いた保護効果の動的観察 (代表者):種々染色法による組織学的なダメージ評価結果の結果、凍結により半数以上の細胞が崩壊しているにもかかわらず生体として復元する能力を持つことが示された。また頭部神経系除去試料も凍結耐性を示すことが判明した。3. 2 凍結保護効果(萩原):ヒル生体に比較的多く含まれるカルノシンは氷結晶生成に与える影響は小さく、むしろ種々の酵素の活性を増大させる効果が見出された。これがヒルの凍結復元性に影響を与えていることが示唆された。造変化を抑制するか否かの検討を行う。3. 3 乾燥保護効果 (川井):前述カルノシンの乾燥保護効果について、乳酸菌を一モデルとして検討しカルノシン保護効果を確認し抗酸化能との関連性が示唆される結果が得られた。最終年度であったが、ヒル個体の数量が得られないことから研究全体の推進の遅延があった。一方で個体の繁殖手法の完全は確立が果たせた。個体数の大量利用が可能となり研究の基盤が確立できた。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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