現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度では、アミノ酸-グルコース-アマドリ化合物の有機合成と血漿中アミノ酸-グルコース-アマドリ化合物濃度の測定法の確立を目的としており、糖化トリプトファンであるトリプトファン-アマドリ化合物および(1R,3S) -1- (D-gluco -1,2,3,4,5 -pentahydroxypentyl) -1,2,3,4 - tetrahydro -β- carboline -3-carboxylic acid(PHP-THβC)の血漿中濃度の測定を可能とした。また、生体内におけるアミノ酸の糖化割合の測定も目的としおり、ニワトリにおけるトリプトファン-グルコース-アマドリ化合物およびPHP-THβCの血漿中濃度は、各々約 1 uMおよび 2 uMであり、血漿中トリプトファンの糖化割合は約10%であること明らかにした。 平成28年度では、血漿中アミノ酸濃度の変化が、血漿中アマドリ化合物濃度に及ぼす影響を調査することを目的としており、飼料中タンパク質源を変化させることによってニワトリの血漿中アミノ酸濃度を変化させたところ、飼料中必須アミノ酸の不足は、血漿中アルブミンの糖化を上昇させることを明らかにした。また、ニワトリにおけるバリン-グルコース-アマドリ化合物の血漿中半減期の測定も目的としており、バリン-グルコース-アマドリ化合物をニワトリに静脈注射し、投与後0、10、20、30、60、180及び360分後の血漿中アマドリ化合物濃度の変化からバリン-グルコース-アマドリ化合物の血漿中半減期を測定したところ、回帰式y = 8.065 exp (-0.0093 x) + 8.825が得られ、バリン-グルコース-アマドリ化合物の血漿中半減期は約75分であることを明らかにした。 以上より、当初予定していた研究目的は概ね達成されており、研究は概ね順調に進行している考えている。
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