研究課題
経口摂取したプリオン蛋白は腸管M細胞を介して侵入する。申請者は、プリオン蛋白が腸管上皮M細胞より分泌された解糖系酵素アルドラーゼAと結合して輸送小胞へと取り込まれることが、プリオン侵入に必須であることを発見した。そこで、細胞内アルドラーゼAをノックアウトすることでアルドラーゼAの機能を阻害し、アルドラーゼAのM細胞におけるプリオン蛋白質トランスサイトーシス機構における役割を解析した。先ず、M細胞に存在するアルドラーゼAを阻害する目的で、Transcription activator-like effector nuclease(TALEN)をMIE細胞へトランスフェクションし、アルドラーゼAノックアウトを試みた。1st メチオニンを含む標的蛋白のエキソン部位の塩基配列を認識するようにTALENを設計することでC末端のエンドヌクレアーゼが目的部位を切断することにより、修復時に欠損して標的蛋白をノックアウトすることが出来る。TALEN法によってアルドラーゼAをノックアウトしたMIE細胞(MIE ALDOA-/-細胞)はアルドラーゼAの発現が無く、M細胞に分化誘導することによってM細胞マーカーGP-2の発現は確認された。M細胞分化MIE ALDOA-/-細胞にプリオン蛋白質結合蛍光ビーズを添加し、9時間後の下部培地中蛍光ビーズ数をフローサイトメトリー解析によってM-MIE細胞と比較解析した。トランスサイトーシスされた蛍光ビーズの量は、アルドラーゼAノックアウトによって無処理およびプリオン蛋白質結合蛍光ビーズ両方で減少したが、プリオン蛋白質結合蛍光ビーズの方がより減少し、野生型のM細胞分化MIE細胞による抗アルドラーゼA抗体処理と同等の減少率であった。以上より、アルドラーゼA発現の阻害はM細胞のプリオン蛋白質結合蛍光ビーズのトランスサイトーシスを抑制することが判明した。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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