研究課題/領域番号 |
15H04587
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
有原 圭三 北里大学, 獣医学部, 教授 (00175994)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 食肉 / ペプチド / ロイシン / 保健的機能 / メイラード反応 / 抗酸化作用 |
研究実績の概要 |
ロイシンは食肉タンパク質中に多く含まれるアミノ酸であり、筋肉強化や抗ストレス・抗疲労作用など多くの保健的機能を有する。また、メイラード反応により、保健的機能が向上することも知られている。ロイシンはペプチドの形では異なる機能を有しているが、十分な解明はされていない。本研究は、食肉タンパク質の分解により生成するロイシンオリゴペプチドに注目し、食肉・食肉製品における役割解明や積極的利用、そして新規ペプチド食品素材の開発につながる知見を得ることを目的として計画されたものである。本年度は、Leu-XあるいはX-Leuの配列を有するロイシンジペプチドとそのメイラード反応生成物の保健的機能の解明を中心に検討を行った。Leu-XおよびX-LeuのX部分に用いるアミノ酸は、食肉タンパク質中の存在を考えたうえで、単独でメイラード反応生成物を調製した場合に高い抗酸化活性(スーパーオキソイドイオン消去能)を示したアラニン、アルギニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、プロリン、セリン、スレオニンを用いた。Leu-XおよびX-Leu計19種類のロイシンジペプチドの抗酸化活性を測定したところ、アラニン、アルギニン、リジンを含むペプチドで高い活性が見られた。その中でC末端がロイシンであるLeu-Alaは高い活性を示したが、メイラード反応後では活性は低かった。一方、N末端がロイシンであるAla-Leuはジペプチドもメイラード反応後のものも高い活性を示した。また、Leu-ArgとArg-LeuおよびLeu-LysとLys-Leuはそれぞれメイラード反応後に高い活性を示した。予備的なin vivoの検討では、リジンを含むペプチドおよびそのメイラード反応生成物は、酸化ストレス度を低下させることが示唆された。これら一連の成果は、今後の動物実験レベルにおける検討に際して重要な知見となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画に基づき、本研究課題に着手した。ロイシンジペプチドの機能解析については、in vitroの検討を中心にほぼ順調に進行している。in vivo解析については着手が遅れているものの、初年度の計画では重視していなかったロイシンジペプチド由来のメイラード反応生成物に関する知見が多く得られた。このような状況から、全体としてはおおむね順調に研究計画が進展しているものと評価している。
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今後の研究の推進方策 |
in vivoの検討など初年度に十分な成果を得ることができなかった項目について、次年度以降に重点的に研究を進展させる予定である。
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備考 |
代表者が所属する研究室のwebページである。webページ中の掲載記事に、本研究成果に関連する記載がある。
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