研究課題
2018年度は2017年度に引き続き、個人用積算線量計(D-シャトル)を用いた新規モニタリング手法の確立、およびモニタリング・実験とその結果解析を進めた。公刊が遅れていた「手法の確立」に関しては、2018年5月にRADIOISOTOPES誌に公刊を完了した。その他の項目についても全て、2018年度は主に研究成果の公刊を目途として取り組み、概ね所期の成果を得た。「モニタリング」については、複数の測定地点(電中研我孫子事業所構内、福島県川俣町、同浪江町、同新田川河川敷)において測定を実施した。その結果、これまでに明らかにした「降雨に伴う土壌の移動」、「構成樹種の異なる森林や林床除染の有無による空間線量率の経年変化」など、汚染の長期マクロ的(面的)解析への応用において本手法が有用であることに加えて、「林冠からの汚染した枝葉の落下」が、季節的な林床における空間線量率の変化をもたらすこと(およびそのような微細な変化を本技術によって測定可能なこと)を明らかにした。また、従来手法(サンプリングとゲルマニウム半導体型スペクトロメータによる測定)を用いたモニタリングの結果については、昨年度までに示された「サクラの越年芽形成から落葉までの葉寿命全体におけるカリウム濃度の変動と放射性Cs濃度の変動の同調性」などについて「落葉時の落葉から樹体への再吸収率がKでは約8割、137Csでは約5割であること」や、「越年芽が萌芽する際に、137Csはほぼ全て越年時までに蓄積したものであったたのに対して、Kでは越年時までに蓄積したものが占める割合は約6割であること」など、補完的なデータを加えて解析に供した。これらの結果は、JER誌などこの分野における著名な学術誌における公刊の他、SPERA2018、土壌肥料学会、KEK環境放射能研究会などの国内外での学会において公表した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 9件、 招待講演 1件)
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