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2015 年度 実績報告書

植物におけるポストゴルジオルガネラが担う環境ストレス応答機構の包括的解明

研究課題

研究課題/領域番号 15H04627
研究機関東京大学

研究代表者

植村 知博  東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (90415092)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードTGN / 病原菌応答
研究実績の概要

・塩ストレス応答におけるオルガネラ動態の解明:研究室で開発された超高感度高速のライブイメージン顕微境を用いて長時間の塩ストレス応答の観察システムの構築を試みたが、根の成長により焦点面がずれるため長時間同じ細胞を観察することができなかった。H28年度も長時間ライブイメージングの構築を試みる。
・TGNが関与する高塩ストレスの「受容」と「応答」を単離することによる、高塩ストレス応答の分子メカニズムの解明:TGNに局在するNa/Hアンチポーターの局在を観察すためNHX5/NHX6にGFP, YFP, mRFPを融合させたタンパク質を発現する形質転換体を作出し、野生型ではTGNに局在することを確認した。また、TGN機能が損なわれた変異体syp4にNHX5-GFP, NHX6-GFPを発現する形質転換体も作出した。
・病原菌抵抗性におけるTGNのダイナミクスと生理機能の解明:シロイヌナズナに感染することが出来ないうどんこ病菌(Blumeria graminis)を用いて、syp4変異体でのうえどんこ病菌に対する応答を詳細に解析した。うどんこ病菌侵入時にはゴルジ体から独立したトランスゴルジ網(TGN)の数が増殖することを発見した。更に、ゴルジ体から独立したTGNは分泌経路で機能することを見出したことにより、ゴルジ体から独立したTGNによって運ばれる物質が病原菌応答に大切であることが示唆された。そこで病原菌侵入時の分泌タンパク質を同定するために、細胞間隙のタンパク質を単離しプロテオミクス解析を行った。
・TGNが担う環境ストレス下での葉緑体の機能発現機構の解明:syp4変異体の葉の黄化・白化の表現形が抑圧される変異体について、次世代シーケンシングにより原因遺伝子を同定する準備実験をおこなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

塩ストレス応答のオルガネラ動態を超解像ライブイメージングにより観察するシステムの構築には時間がかかっているが、病原菌応答におけるTGNの生理機能に関しては大きく研究が進捗した。

今後の研究の推進方策

病原菌感染時に実際に分泌されているタンパク質を同定し、それらのダイナミクスをライブイメージングにより観察することで、病原菌応答におけるTGNが担う機能を分子レベルで明らかにする。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2016 2015 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 4件)

  • [国際共同研究] マックスプランク研究所(ドイツ)

    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      マックスプランク研究所
  • [雑誌論文] SNARE Molecules in Marchantia polymorpha: Unique and Conserved Features of the Membrane Fusion Machinery.2016

    • 著者名/発表者名
      Kanazawa, T., Era, A., Minamino, N., Shikano, Y., Fujimoto, M., Uemura, T., Nishihama, R., Yamato, KT., Ishizaki, K., Nishiyama, T., Kohchi, T., Nakano, A., Ueda, T.
    • 雑誌名

      Plant Cell Physiol

      巻: 57 ページ: 307-324

    • DOI

      10.1093/pcp/pcv076

    • 査読あり
  • [学会発表] The dynamics and physiological roles of the TGN in plants.2016

    • 著者名/発表者名
      Tomohiro Uemura
    • 学会等名
      Progress100: Second international symposium: Protein Trafficking and Intracellular Signaling of Plant and Fungal Cells
    • 発表場所
      九州大学 (福岡県博多市)
    • 年月日
      2016-02-08 – 2016-02-09
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 植物におけるトランスゴルジネットワーク(TGN)の動態と生理機能2015

    • 著者名/発表者名
      植村知博
    • 学会等名
      第38回日本分子生物学会年会・第88回日本生化学会大会合同大会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド(兵庫県神戸市)
    • 年月日
      2015-12-02 – 2015-12-02
    • 招待講演
  • [学会発表] The dynamics of trans-Golgi network (TGN) in plants2015

    • 著者名/発表者名
      Tomohiro Uemura, Takashi Ueda, and Akihiko Nakano.
    • 学会等名
      26th International Conference on Arabidopsis Research
    • 発表場所
      Paris (France)
    • 年月日
      2015-07-05 – 2015-07-09
    • 招待講演
  • [学会発表] 植物におけるTGNの動態と生理機能2015

    • 著者名/発表者名
      植村知博、中野明彦
    • 学会等名
      第67回日本細胞生物学会大会
    • 発表場所
      タワーホール堀船(東京都江戸川区)
    • 年月日
      2015-06-30 – 2015-06-30
    • 招待講演

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公開日: 2018-01-16  

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