研究課題
GFP融合型脱キャップ酵素DCP1を発現する相補形質転換シロイヌナズナに高温処理条件を与え、その前後の細胞破砕液から抗GFP抗体でPボディーを沈降させた。沈降物を電気泳動で分離し、Pボディー構成タンパク質候補についての解析を継続した。その結果、varicose (VCS)とその類似タンパク質が局在すること、高温時ではDCP1がDCP2と直接相互作用するのが見られなくなるのに対してeIF4A2(ストレス顆粒のマーカー)との相互作用が認められた。このことは並行しておこなった電子顕微鏡観察で、P-ボディーと隣接してストレス顆粒が観察することと一致した。他にも高温時DCP1と相互作用するものとして小胞輸送に関連する因子などが見いだされた。P-ボディーに存在するRNA側の解析を行うために、東大先端研、岡本晃充教授とECHOプローブをもちいた内在性mRNAを検出する系の確立について共同研究を行ったがバックグラウンドが高く断念した。かわりにP-ボディー生化学的に抗GFP抗体でPボディーを沈降させ、共沈殿した核酸についてNA-seq解析を施した。その結果、この画分に特異的な非コードRNAを検出した。現在、このRNAがもつ意義について解析を継続している。並行して細菌感染ストレス解析、、ゼニゴケにおける解析の共同研究を行った。新たに猛暑となった2017年夏、山口県農林総合技術センターと共同で、気温寒暖差の大きい圃場、小さい圃場などから減数分裂期、穂揃期にあるイネのサンプリングをし、RNAseq解析を施した。高温ストレスをめぐる変動と生産量や質を考える上で、イネの収量、品質の評価とトランスクリプトーム結果と、シロイヌナズナの基礎データと照合している。その中から恒常的な高温ストレスと、日周の中での高温ストレスが植物内に与える遺伝子発現の関係を知るためにデータ解析を継続している。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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