細胞内寄生細菌のサルモネラに感染した宿主ヒト細胞では、核内RNA分解経路が抑制され、その結果、普段は不安定な核内長鎖ノンコーディングRNAが安定化されて発現増加することを本研究の遂行で申請者は発見した。サルモネラ感染で発現増加する核内長鎖ノンコーディングRNAは、インターフェロン遺伝子などの免疫関連遺伝子の発現制御分子として働くことも示した。さらに、核内RNA分解経路が抑制されるメカニズムとして、核内RNA分解経路の就寝分子であるMTR4がタンパク質分解されることを発見した。これらの結果から、核内RNA分解経路は自然免疫応答を制御する上で重要な機構を形成していることが世界で初めて判明した。
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