研究課題
最近の創薬研究において、中分子サイズの医薬品開発の重要性が注目されている。本研究では研究代表者らが長年にわたって蓄積してきたペプチドおよびペプチドミメティックの研究成果を基に、種々の中分子サイズの創薬リードの発展的開発を推進した。具体的には、ヘリックス構造が高活性に必須なヒト免疫不全ウイルス(HIV)インテグラーゼ阻害剤のヘリックス構造強化ペプチド、GPCRの二量体状態を捉えることのできる申請者らが開発した2価結合型GPCRリガンド、HIVが有する外被タンパク質gp41のC末端ヘリックス領域の再構成二量体および三量体を基にした膜融合阻害剤等を題材にし、二次構造、三次構造等の高次構造模倣型のペプチドミメティックを基盤とした中分子サイズの創薬リードの創出を行った。インテグラーゼ阻害剤は、アミノ酸配列のi番目とi+4番目をクロスリンクしたステープルペプチドを基にして、ヘリックス構造を向上させた。研究代表者らが見出したGPCRのひとつであるケモカインレセプターCXCR4の二量体構造を高い親和性を持って認識する2価結合型リガンドを基にして、より有用なGPCRリガンドを創製した。また、2価結合型GPCRリガンドと他のドラッグをリンカーで結合し、治療標的の疾病に関与するGPCRが過剰発現した細胞へ他のドラッグを特異的にターゲティングし、標的細胞で効率的にリリースするドラッグシャトルの創製を行った。これらは、天然の二次構造、三次構造等を基盤とした高次構造模倣型のペプチドミメティックであり、これらを題材として、低分子と高分子の間に位置する、分子量700~20,000の種々のサイズの創薬リードを創出し、状況および需要に適した中分子創薬を推進した。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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