研究課題/領域番号 |
15H04656
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
南川 典昭 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 教授 (40209820)
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研究分担者 |
石田 竜弘 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 教授 (50325271)
阿部 洋 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80415067)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 核酸創薬 / DNAデバイス / 化学合成 / RNAi創薬 |
研究実績の概要 |
本研究課題では、申請者が開発したiRed(intelligent RNA expressing device; 細胞内で機能性RNAを発現し遺伝子発現抑制を誘起する、鎖長約400bpのナノDNAデバイス)の完全化学合成を達成し、これを人工ベクター(リポソーム)に搭載し、この複合体を腫瘍内微小環境の能動的制御に基づく革新的デリバリー法により腫瘍内へ送達することで、新規がん治療薬創製をめざす。 初年度である平成27年は、まずiRedの完全化学合成に向けてケミカルライゲーション反応の様式について検討を行った。検討したオリゴマーの基質構造は、1)5'-アジド体と3'-プロパギル体、2)5'-アジド体と3'-エチニル体ならびに3)5'-ヨードアセチル体と3'-ホスホロチオエート体の3種であり、「添え木配列」の有無を含めて反応の効率をHPLCにより追跡した。その結果、いずれの基質でも「添え木配列」を用いて、ライゲーション反応の効率的な進行が確認できた。現在、ライゲーション体をテンプレートとしてT7 RNAポリメラーゼによる転写反応の検討中であり、これにより最適なライゲーション様式を決定する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の研究計画は、1)ライゲーション反応のスクリーニングと、2)T7 RNAポリメラーゼを用いたライゲーション体のテンプレートとしてのポテンシャルの検討である。1)の項目については、実験が完了しており、2)についても検討段階に入っている。以上のことから、研究は概ね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、本研究課題の最大の山場であるiRedの完全化学合成達成に向けて検討を行う。なお、前年度の検討からライゲーション反応には、「添え木配列」が有効であることが明らかとなっているが、再度、その有無で反応効率の違いを精査する。
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