研究課題
(A)NMU誘導体ペプチドを用いた抗肥満薬の創製研究今年度は、血中での安定性に注目した誘導体の創出を念頭に検討を行った。CPN-267の血清中安定性に関与するαメチルトリプトファンを導入したP4部位の構造に着目した。また、これまで良好なNMUR1選択的性を示す部分アゴニストの創出は未検討であることから、約50倍のNMUR1選択性を示す部分アゴニストCPN-124を基盤とし、血清中で安定かつよりNMUR1選択的な誘導体の創出を目指した。計算科学ソフトMOEを用いた検討によりP4部位を鍵代謝酵素トロンビンに認識されにくい構造へと変換した誘導体が目的の性質を有することを確認した。また一方で、in vivoで薬理活性を発揮するNMUR1選択的アゴニストNMU-6102が他グループから最近報告された。NMU-6102は8残基ペプチドのN末端がパルミトイル化されているもので良好な血中薬物動態を示すことが考えられた。そこで、CPN-267を基にした脂肪酸修飾体の合成を行い、これらの誘導体がCPN-267と比較して6~7倍長い消失半減期示すことを明らかとした。(B)筋萎縮性疾患克服のための高活性マイオスタチン阻害ペプチド創製研究昨年度創製した小型化マイオスタチン阻害ペプチドnPDM-86を用いたin vivoでの検討を実施した。nPDM-86を、デュシェンヌ型筋ジストロフィーモデルmdxマウスの後肢に筋注し、筋力が強化されるか検討した。投与後42日の時点において、生理食塩水投与群に比べ、約130%の握力を示し、筋機能改善効果が認められた。一方で、本課題で創製したCR-13を基に環状化ペプチドの創製も実施し、同等の強力なマイオスタチン阻害活性を示すことを報告した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Bioorganic & Medicinal Chemistry
巻: 27 ページ: 1437~1443
10.1016/j.bmc.2019.02.019