アデノシンがイノシンに変換されるRNA編集によって薬物応答性に個人差が生じている可能性を明らかにすることを目的とした。ヒト肝組織において、RNA編集を担う酵素ADAR1の発現量に220倍の大きな個人差が存在した。種々の薬物代謝酵素を誘導する転写因子AhRがRNA編集を受けることによりmiR-378結合配列が創出されて発現抑制が起こり、その下流遺伝子であるCYP1A1の発現誘導が影響を受けていること、葉酸代謝を担うDHFRがRNA編集を受けることでmiR-25およびmiR-125a-3p結合配列が喪失するために発現量が増加し、抗がん薬メトトレキセートへの応答性が変化することを明らかにした。
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