研究課題
「オボムコイド含有ハイドロゲルパッチを用いた鶏卵アレルギー患児に対する経皮免疫療法の安全性・有効性評価」に関する多施設臨床研究を実施し、現在、経口負荷試験ならびにオボムコイド特異的IgG4/IgE抗体価について臨床データ解析を進めている。データ解析が完了した時点で本療法の大規模臨床試験への展開について判断する予定である。食物アレルギーモデルマウスを用いて経皮免疫療法の有用性実証と奏効機序解明を試みたが、従来のモデルでは一過性にアレルギー症状を呈するものの、数週間を要する免疫療法実施期間において自然寛解する個体が大半であることが判明し、適正な試験データの取得に至らなかった。そこで新たに、遺伝子改変マウスを用いることによりヒトの発症機序に近い食物アレルギーモデルマウスの作製を進めており、本モデルマウスにおいて経皮アレルゲン免疫療法の有効性および奏効機序に関するさらなる基礎情報の集積を図る予定である。TLR9 ligandであるK3 (CpG-ODN) による経皮アジュバント効果の発揮がCD4陽性T細胞依存性であることを明らかにするとともに、「ヒトにおけるK3経皮投与の安全性評価」に関する臨床研究において、アジュバント活性の発揮が期待できる用量で経皮投与されたK3が重篤な局所および全身性の副作用を誘発しないことを確認した。今後、より安全に実施できる経皮アレルゲン免疫療法の開発を推進するべく、K3とアレルゲンとを混合装填したハイドロゲルパッチ製剤の臨床研究実施を計画している。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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