研究課題/領域番号 |
15H04668
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
原田 彰宏 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40251441)
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研究分担者 |
吉村 信一郎 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60584521)
國井 政孝 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80614768)
岩野 智彦 山梨大学, 総合研究部, 助教 (10442930)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 細胞極性 / 極性輸送 / Rab / SNARE / ノックアウトマウス |
研究実績の概要 |
上皮細胞や神経細胞は組織中で極性をもった形態を取るが、それらの細胞の極性は組織の形成や機能に必須であり、その破綻はがんや糖尿病などの疾患にもつながる。細胞極性の形成や維持は細胞内の極性輸送によって支えられているが、組織、個体における細胞内極性輸送の分子機構の解明は培養細胞を用いた研究だけでは困難である。本研究では細胞の極性輸送に関わる既知の蛋白や線虫のスクリーニングによって見つけた新規蛋白を欠損したマウスを作製し、組織中の細胞の極性輸送の分子機構とその破綻による疾患病態の解明を行った。 本研究は、研究1)現在まで作製した既知の極性輸送関連分子欠損マウス の解析 と 研究2)線虫で同定した新規の極性輸送関連分子の組織特異的欠損マウスの作製と解析の2つからなるが、研究1については、PKD1,2が神経の極性形成に重要なことを論文にまとめてNeuroscience Research誌に報告した。また、Rab8aがWnt ligandの輸送に重要なことを共同研究で示し、Development誌に報告した。SNAP23欠損マウスについては、主な解析を終了し、現在投稿中である。syntaxin3についても引き続き解析を進めている。他の極性輸送に関与すると考えられるRab等について欠損マウスの作製を引き続き行っている。また、研究2については、Rab8に結合する新規タンパクのEHBP1L1を酵母2ハイブリッド法で同定し、それがBin1, dynaminを介してapicalへの輸送に重要なことをJournal of Cell Biology誌に報告した。また、極性輸送に関与すると考えられる他のRabについても同様に結合蛋白を同定し、その解析を行っているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究1)現在まで作製した既知の極性輸送関連分子欠損マウス の解析 については、Rab8a,b欠損マウス、syntaxin3欠損マウス、SNAP23欠損マウスの解析が現在までにほぼ終了、ないしは投稿まで近づいているため、当初の予定通りに進行していると思われる。 研究2)線虫で同定した新規の極性輸送関連分子の組織特異的欠損マウスの作製と解析 についても、現在マウスの解析を進めていると同時に、Rabに結合する新規分子の同定も進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
このまま、計画通りに推進することを予定している。 つまり、研究1)現在まで作製した既知の極性輸送関連分子欠損マウス の解析 については、SNAP23, syntaxin3の欠損マウスの解析を続け、成果がまとまったところで論文発表を行う。 研究2)線虫で同定した新規の極性輸送関連分子の組織特異的欠損マウスの作製と解析 については、マウスの作製と解析を行い、成果がまとまったところで論文発表を行う。
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