研究課題
虐待など幼少期養育環境の劣悪化によるストレスが、視床下部-下垂体-副腎皮質系(HPA-axis)などのプログラミングに影響を及ぼし、成長後の脳の機能・構造に重大かつ継続的な問題を引き起こすことが報告されている。しかし、幼少期のストレスが脳のどの部位に記憶の痕跡として残され、生涯にわたって行動に影響を及ぼすのかは未だ解明されていない。本研究では、幼児虐待の動物モデルの一つである母子分離マウスを用い、母子分離ストレスによって活性化する神経細胞を非可逆的にラベルし、成体において母子分離記憶の痕跡をオプトジェネテイクスを用いて再活性化することにより、母子分離記憶を想起することが出来るかを検討し、「虐待は繰り返される」という概念の分子基盤を明らかにし、劣悪な幼少期養育環境が精神神経疾患等を引き起こすメカニズムの解明を目指した。c-fos promoter-tTA-TRE-Creマウスの作製を試み、c-Fosの免疫組織化学で見られたのと同じ領域でtTA、Creの発現が見られるかの検討を進めた。一方、虐待が繰り返されるかについて、母子分離を受けた雌マウスを通常通り飼育し、正常雄マウスと交配して妊娠・出産させる実験を行なった。生後2-3日までに約85%の子マウスが死亡することを見出した。その原因を調べるため、出産の前日からビデオ撮影によって母マウスの養育行動を撮影して解析した結果、母子分離を受けた雌の巣作り、仔運び、licking等の養育行動がコントロールの母マウスに比して有意に低下することを見出した。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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