ヒトの外界からの情報の大半は視覚に依存しており、視覚障害が生活の質(QOL)に与える影響は著しく大きい。網膜の視細胞は、明暗・色調を鋭敏に感知して神経伝達物質を持続的に放出する特殊なシナプス「リボンシナプス」を持つ。しかしながら、リボンシナプスの生理学的特性を支える分子制御機序は未だ不明である。本研究は、低分子量G蛋白質Arf6経路の網膜リボンシナプスでの機能を明らかにするために実施した. その結果、視細胞リボンシナプスにおいてArf6活性化制御因子BRAG2aがジストロフィン複合体を形成することを見出し、リボンシナプスの形成・維持に関わる新たな制御経路である可能性を示した。
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