研究課題
PI3K-C2αとPI3K-C2βの機能的相違を解明するために、floxedマウスとCre deleterマウスを交配し、組織Aおよび組織B特異的なPI3K-C2α-単独KOマウス、PI3K-C2β-単独KOマウス及びPI3K-C2α/PI3K-C2β二重KOマウスの表現型を解析した。組織A特異的なKOマウスについては、PI3K-C2α、PI3K-C2βのいずれの単独KOマウスも正常な表現型を呈したが、二重KOマウスは複数の器官機能に異常を認めた。ある器官の機能異常については、マウス個体での機能の他に摘出臓器の機能、単離細胞のインビトロ解析により、細胞内シグナリングの異常を見出した。一方、組織B特異的なKOは、生後2週間以内に約半数のホモKOマウスが死亡することが明らかとなった。電子顕微鏡解析により細胞内小器官および細胞内フィラメント構造の顕著な異常が認められた。今後、マウス個体の形態学的、生化学的解析によりこれらの異常の原因を追究する。イノシトールリン脂質PI-3-Pを脱リン酸化する酵素PI-3-Pホスファターゼ(PI3Pase)のノックアウト(KO)マウスは、ある臓器の異常が顕著であり、この臓器の機能異常により出生直後に死亡した。この臓器の細胞種特異的なコンディショナルKOマウスでは、異常が軽度であり生存が可能であった。また、モデル細胞を用いて、siRNA法を用いてこのPI3Paseをノックダウンしたところ、小胞動態の異常が認められた。スフィンゴ脂質代謝酵素スフィンゴシンキナーゼSphKの KOマウスを用いて疾患モデルを作成し、コントロールマウスとの病態の差異を認めた。KOマウスで認められる異常は、小胞動態の異常をともなった。SphKのトランスジェニックマウスとKOマウスを交配したところ、異常が是正された。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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