今後の研究の推進方策 |
平成28年度に開始できなかった以下の1)、2)の研究を開始する。さらに3)を開始する1)遺伝子毒性応答と発癌:発癌に関連する、遺伝子毒性応答を評価する。各系統のマウス(生後6ヶ月)にDENAを投与後、24時間、48時間、72時間で、マウスを屠殺し、肝臓組織を採取する。免疫染色された組織切片上で細胞死、細胞増殖を計測する。免疫染色によるγ H2AXを指標として、DNA傷害の指標とする。FoxO1、FoxO3, Mycの発現、細胞回転停止(p21, p27)、DNA修復(Gadd45a)、ストレス応答(SOD2、Gclc,など)、細胞増殖(Cdkなど)に関連する遺伝子、蛋白質の発現を比較する。また、肝細胞癌の発生に重要なGlycogen synthesis kinase (GSK)-3beta/ beta-catenin系の活性化を検索する。 2)白色脂肪におけるFoxOの役割:全身性および脂肪細胞特異的FoxO1 (+/-), FoxO3 (+/-)マウスの白色脂肪組織を用いて、p53とその下流にあるp21、TNFalphaを含む炎症性サイトカインの発現を免疫ブロット、定量的PCR法を用いて計測し、FoxO1, FoxO3の白色脂肪細胞の細胞老化抑制における役割を明らかにする。 3)FoxO1, FoxO3を活性化する化合物の同定:FoxO1、FoxO3を活性化する低分子化合物の同定を試みる。Venus(蛍光物質)で標識した FoxO1およびFoxO3 プロモーターベクターを作製する。その後、培養細胞へ遺伝子導入し、InCellAnalyzer 及び 384 プレート・ 30 枚程度で、9600 コアライブラリを用いたハイスループットスクリーニング(HTS)を行なう準備、アッセイ系を確立する。
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