研究課題
申請者らの研究により、細胞内シグナル伝達制御におけるTRIMファミリーユビキチンリガーゼ群の重要性が明らかとなった。特に、細胞増殖や細胞分化の過程を制御するシグナル伝達系に、TRIMファミリーユビキチンリガーゼが関与していることが示された。そこで本研究申請においては、網羅的ノックダウンスクリーニングやプロテオミクス的手法により、さまざまな細胞内シグナル系におけるユビキチン化を制御するTRIM型ユビキチンリガーゼを同定・解析した。本年度は、心臓特異的な発現をするRNF207の機能解析により、RNF207が心臓の代謝制御に関与することを明らかにした。さらに、プロテオミクス解析により、RNF207の結合タンパク質としてVDAC1を同定し、ミトコンドリア代謝におけるRNF207の役割を解析した。細胞レベルにおいて、マウス胎児心筋細胞を使った実験により、さまざまなストレス刺激によりRNF207のmRNA及びタンパク質レベルの変動が起きることが明らかとなった。さらに、三種類の心不全モデルマウスを使用することにより、RNF207の発現変動は起きることが明らかとなり、RNF207の機能回復が心臓機能の改善・回復に常用であることが示唆された。さらには、siRNAライブラリーを用いたTRIMファミリー遺伝子の網羅的ノックダウンによる機能スクリーニングにより、転写制御や免疫シグナルにおける候補遺伝子を同定し、現在、それらの機能を解析中である。
2: おおむね順調に進展している
初年度に計画した実験が遂行され、かつ興味深いいくつかの結果を得ているから。
概ね順調に計画が進んでいるので、予定通りに実験計画を進める予定である。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (1件)
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