赤血球造血因子エリスロポエチン(EPO)の造血以外の機能が示唆されている。本研究では、神経系や心血管系における細胞保護および脂肪組織と骨格筋における糖代謝制御に関して、遺伝子改変マウスを用いた国際共同研究を行い、EPOの意外な作用を明らかにした。また、胎児神経系組織におけるEPO遺伝子発現を見出し、EPO遺伝子の転写開始点近傍に神経系でのEPO産生を誘導する制御領域を同定した。胎児期の神経系EPO産生細胞については、細胞株の樹立と解析を行い、胎児神経系EPO産生細胞は様々な種類の細胞で構成されることを明らかにした。さらに、EPOは鉄利用を促進させることを見出し、その分子機序の一端を解明した。
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