当該年度の研究実績として、心臓特異的Tric-b欠損マウスの作製について記載する。キメラマウス(Tric-b flox/flox)と心臓特異的Myh6-Creマウス(Myh6-Cre/+)を交配し、心臓特異的Tric-b欠損マウス(Tric-b flox/flox-Myh6-Cre/+)を作製した。Creを有さないTric-b flox/flox-Myh6-+/+の遺伝子型を持つマウスをコントロール対象群とした。過去に報告されているタモキシフェン誘導型コンディショナルマウスを参考に0.1 mg/kg/dayの濃度にて3日間タモキシフェンをマウスに腹腔内投与し、TRIC-Bが心臓特異的に欠損したかを検討した。このとき、TRIC-Bが豊富に発現している骨格筋をコントロールとして用いた。タモキシフェン投与後2週間および4週間ではタンパクレベルで心臓特異的なTRIC-Bの欠損は確認できなかった。タモキシフェンの投与量および投与してからの時間が不足していたものと考えられるため、次年度の別プロジェクトにてそのあたりの検討を行う予定である。
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