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2017 年度 実績報告書

マウスpiRNAの生合成経路の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15H04699
研究機関大阪大学

研究代表者

宮川 さとみ  大阪大学, 生命機能研究科, 准教授 (90291153)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードpiRNA / 小分子RNA / 精子形成 / GPAT2 / PIWI / レトロトランスポゾン / PNLDC1
研究実績の概要

piRNA(PIWI interacting RNA)は、生殖系列の細胞で発現し、転写調節を介してレトロトランスポゾン遺伝子の発現抑制に深く関与する小分子RNAである。本研究では、piRNAの生合成過程を明らかにするために、piRNAの生合成に関与する分子、GPAT2(Glycerol-3-phosphate acyltransferase 2)およびPNLDC1(poly(A)-specific ribonuclease (PARN)-like domain containing 1)の遺伝子改変マウスを用いて研究をおこなってきた。
①GPAT2欠損マウスの解析:GPAT2欠損マウスの雄マウスでは、精子形成に異常が生じ不妊となる。胎生期や生後の精巣におけるpiRNA関連分子の抗体染色や分画操作により、GPAT2が生殖顆粒に存在することや、ミトコンドリア外膜タンパクと共局在することを示した。
②PNLDC1欠損マウスの解析: piRNAの生合成過程においては、成熟型より少し長いpiRNA前駆体がPIWIファミリータンパク質に取り込まれ、トリマーと呼ばれるヌクレアーゼタンパク質により3’末端が削られて、成熟したpiRNAとなる。今年度は、マウスのトリマー分子であるPNLDC1の欠損マウスを作製し、解析をおこなった。PNLDC1欠損マウスの胎生期及び生後の精巣において、成熟型よりも長いpiRNAが蓄積していることを見出した。さらに、PNLDC1欠損マウス精巣ではLINE-1レトロトランスポゾンのゲノムDNAメチル化レベルの低下と、RNAの発現増加が観察された。また、この欠損マウスでは、減数分裂期の発生異常、及び、半数体で分化異常の二つの表現型が観察された。以上のことから、piRNAの3’末端成熟がレトロトランスポゾンの抑制と精子形成に必須であることが、明らかとなった。

現在までの達成度 (段落)

平成29年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

平成29年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019 2018 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] GPAT2 is required for piRNA biogenesis, transposon silencing, and maintenance of spermatogonia in mice.2019

    • 著者名/発表者名
      Shiromoto Y, Kuramochi-Miyagawa S, Nagamori I, Chuma S, Arakawa T, Nishimura T, Hasuwa H, Tachibana T, Ikawa M, Nakano T.
    • 雑誌名

      Biol Reprod.

      巻: Apr 5. ページ: pii: ioz056

    • DOI

      10.1093/biolre/ioz056.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] PNLDC1, mouse pre-piRNA Trimmer, is required for meiotic and post-meiotic male germ cell development.2018

    • 著者名/発表者名
      Nishimura T, Nagamori I, Nakatani T, Izumi N, Tomari Y, Kuramochi-Miyagawa S, Nakano T.
    • 雑誌名

      EMBO Rep.

      巻: 19(3) ページ: pii: e44957

    • DOI

      10.15252/embr.201744957

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] マウスpiRNAトリマーPNLDC1の機能解析2017

    • 著者名/発表者名
      宮川さとみ, 西村徹、永森一平、泉奈津子、泊幸秀、仲野徹
    • 学会等名
      第19 回日本RNA学会年会

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公開日: 2019-12-27  

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