研究課題/領域番号 |
15H04700
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所) (2017-2018) 国立研究開発法人理化学研究所 (2015-2016) |
研究代表者 |
谷口 直之 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), その他部局等, 糖鎖オンコロジー部部長 (90002188)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 糖鎖 / 糖転移酵素 / COPD / アルツハイマー病 / がん |
研究成果の概要 |
がんの病態形成に関わるフコシル化糖鎖の生合成を阻害する新規糖化合物を開発した。この化合物は肝がん細胞の浸潤を抑制することを明らかにした。また、がんの転移に関わる糖鎖合成酵素GnT-Vの立体構造を明らかにし、その酵素機能の特異性を証明した。アルツハイマー病については、病態と関連する糖鎖合成酵素としてGnT-IIIを同定し、その阻害剤候補を探索した。COPDについては、病態緩和効果を示したケラタン硫酸二糖L4の機能増強をめざし、化学合成にてL4多量体を作製した。このL4多量体はC型レクチンにより強く結合し、免疫細胞の炎症反応をより強く抑制することを明らかにした。
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自由記述の分野 |
糖鎖生物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究にて開発された新規糖化合物は、肝がん細胞の浸潤能を抑制するため、新規がん治療薬の候補として期待される。また糖鎖合成酵素GnT-Vの酵素機能の特異性を明らかにしたことにより、がんの転移におけるGnT-Vのより詳細な機能の解明が期待される。また糖鎖合成酵素GnT-IIIがアルツハイマー病に関連することを明らかにしたことは、その病態を理解する上で学術的意義が高い。また、ケラタン硫酸二糖L4の抗炎症性作用を明らかにしたことにより、COPDを含め、炎症性疾患の治療薬としての応用が期待される。
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