研究課題/領域番号 |
15H04702
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研究機関 | 東京医療学院大学 |
研究代表者 |
西野 武士 東京医療学院大学, 保健医療学部, 客員教授 (40094312)
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研究分担者 |
田之倉 優 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (60136786)
岡本 研 日本医科大学, 医学部, 准教授 (60267143)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 神経変性疾患 / 高尿酸血症治療薬 / キサンチン酸化還元酵素 / 筋萎縮性側索硬化症 / アルツハイマー病 |
研究実績の概要 |
①前年度の筋萎縮性側索ALS動物実験の再試験の検証に基づき、動物実験結果の公表を米国神経病理学会誌に公表を行なった。その効果の機構図が雑誌の表紙に掲載された。②アルツハイマーモデルマウスの特許出願が公表された。その結果に基づき他の薬剤を用いて検証する研究を連携研究者(鳥取大学加藤信介准教授)と行い、行動パターンと病理結果の関係解析法を考案し、薬剤効果を裏付ける結果を得ている。アルツハイマーモデルでもALSと同様の機構である結果を得ている。基質となるヒポキサンチン前駆体(核酸)やアミノ酸の食物との関連性も臨床的には重要因子となることが示唆された。③前年の脳内メタボローム解析(マススペクトルによる)を特にプリン体をHPLCで検証すると同時に、酵素のウェスタン分析を行った。脳内には薬剤のあるターゲットタンパク質であるXORは存在せず、効果は多くの臓器の内皮細胞や肝臓・腎臓でありそこで蓄積されるヒポキサンチンが脳内に流入するためという仮説を裏付けた。また保存してある髄液内のプリン体の分析により検証した。④前年度の結果に基づき内皮細胞と酵素の相互関係を調べた。内皮細胞内で形成されるスーパーオキシドの作用(NOとの相互作用)が推定されるためである。⑤網状赤血球を用いてのプリン分解とATP再生については全アデニンヌクレオチドの変動(喪失・回復)は得られたもののATP回復は得られていない。ミトコンドリア機能によらないためと推定された。そのため実験系を動物実験系による解析を中心に据える計画にする予定である。培養細胞に置ける実験ではSOD1変異によるATP消費量の測定は実験継続中である。⑥阻害剤の酵素タンパク結合様式を分子動力学的解析を進め、酵素・基質結合様式のダイナミックな変動揺らぎが推察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1)筋萎縮性側索硬化症について論文発表(米国神経病理学会誌)に掲載し、その号の表紙に薬物効果の機構図が掲載された。国際学会から招待を受け29年度に2回(欧州、米国)にて講演予定である。知財としては本研究課題の申請以前に取得している。一部は非公開になっている。2)同じ機構からアルツハイマー病にも効果が確かめられ出願した。ただしその基本は私学助成金にあり、本申請課題はその裏付けの研究である(申請書参照)。何も本研究により再現性が確かめられ、メタボローム解析により確かめられつつある。機構について裏付けられているデータを基に論文発表にできる状況は整いつつある。最終年度には補完実験を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
来年度が最終年度であり、論文発表、国際学会発表が中心であり、いくつかの補足実験を行う。特に動物を用いたアデニンヌクレオチドの回復実験を行うと共に、培養細胞における代謝動態を追跡する。
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